18項目の面接基準
模擬面接のレポートの点数は、この基準に照らして付けています。志望理由書の16項目と同じ考え方で、6つの柱それぞれに3項目、合わせて18項目を1〜5点で採点します。5つの柱は話した中身を、6つめの「伝え方」は声・表情・答えの長さを見ます。評価者は面接の録画を見返して点を付けるので、その場の印象で決まりません。服装や容姿は見ません。3点が「本番で減点されない最低ライン」、4点以上はその根拠になる発言があったときだけ付けます。
点の出し方
各項目には「2点の条件」から「5点の条件」までの4つの条件があります。評価者は2点の条件から順に、言えたかを はい/いいえ で確かめます。満たさない条件があればそこで止め、その手前の点にします(2点の条件を満たさなければ1点、すべて満たせば5点)。読む人によって判断が分かれる言葉は条件に使いません。条件だけでは拾えない事情があるときは1点だけ上げ下げでき、そのときは評価者が理由を書きます。4点・5点の条件を満たしたと判断したときは、根拠のメモを残します。レポートの「次の点になるには」は、次の条件そのものです。
質問は、全員に聞く3問(なぜこの大学か・この分野を学びたいきっかけ・入学後と将来)と、志望理由書の診断で点が低かった項目から決まった手順で選ぶ3問の、合わせて6問です。質問ごとに同じように条件で点を付け、18項目に反映します。伝え方の3項目は、聞き返した回数や答えの長さなど、数えられる条件で付けます。
書類との一貫性
面接官の手元には志望理由書があります。書いてあることと言えることの差が、最初に見られます。
志望理由書との一致
話した内容が、提出した志望理由書と同じ筋になっているか。
1点 志望理由書と違うことを言う。動機や将来像が書類と食い違う
2点 大筋は同じだが、理由や順序が書類と変わり、聞き手が照合に手間取る
3点 書類と同じ内容を、ほぼ同じ言葉で言える
4点 書類の内容を自分の言葉で言い換え、書類に無い補足も筋が通る
5点 書類のどの一文を聞かれても背景まで即座に語れ、書類が本人の要約だと分かる
- 2点の条件話した志望動機・将来像が、志望理由書と食い違わない
- 3点の条件志望理由書の主な理由を、読み上げではなく言い直して言えた
- 4点の条件書類に無い補足(きっかけの前後・迷った点など)を言い、それが書類の筋と合う
- 5点の条件書類の一文の背景を2回以上聞いて、2回とも答えられた
事実関係の揺れ
活動の時期・役割・人数などの事実が、質問を重ねても変わらないか。
1点 時期・役割・人数が書類と違う。聞き直すと答えが変わる
2点 大きな事実は合うが、期間や回数が曖昧で確認が必要
3点 書類の事実関係を、聞かれた範囲で正確に答えられる
4点 聞かれていない周辺の事実(きっかけ・関わった人)も正確に補える
5点 すべての事実が一貫し、裏付けになる具体(日付・場所・名前)を自然に出せる
- 2点の条件時期・役割・人数が、書類と食い違わない
- 3点の条件同じ事実を2回聞かれても、答えが変わらなかった
- 4点の条件聞かれていない周辺の事実(きっかけ・関わった人)を、自分から補えた
- 5点の条件日付・場所・名前など、裏付けになる具体を自分から出した
数字・固有名詞の再現
書類に書いた数字や固有名詞を、聞かれてすぐ正確に言えるか。
1点 書いた数字や名前を思い出せない、または違う値を言う
2点 概数や「たしか」付きで答え、書類と少しずれる
3点 書類にある数字・名前を正確に言える
4点 数字の根拠(どう数えたか・出典)まで説明できる
5点 数字の意味(なぜその規模か・比較対象)まで語れ、本人の理解に基づく数字だと分かる
- 2点の条件書類の数字・名前を聞かれて、答えた(概数でも)
- 3点の条件書類の数字・名前を、書類どおり正確に言えた
- 4点の条件その数字の出どころ(どう数えたか)を説明できた
- 5点の条件その数字の意味(何と比べて多い・少ないか)を説明できた
本人の考えか
借りてきた言葉は、言い換えを求められた瞬間に止まります。自分の経験から出た言葉かを見ます。
自分の言葉で語る
定型句や借り物でなく、自分の言葉で理由を言えるか。
1点 「貴学の校風に惹かれ」など定型句の連続で、言い換えを求めると止まる
2点 定型句が多いが、促せば自分の言葉で少し補える
3点 自分の言葉で理由を言える。定型句はあっても補足がある
4点 聞かれていない視点(迷い・比較・きっかけ)まで自分の言葉で加えられる
5点 問いに合わせて言い方を変えても芯が同じで、借り物の気配がない
- 2点の条件定型句(「貴学の校風に惹かれ」など)だけで終わらず、言い換えを求めると補えた
- 3点の条件促されなくても、自分の言葉で理由を言えた
- 4点の条件聞かれていない視点(迷い・比較・きっかけ)を、自分から加えた
- 5点の条件同じことを違う聞き方で聞いても、同じ中身を違う言葉で答えた
経験との結びつき
主張の根拠が、本人の具体的な経験に結びついているか。
1点 主張だけで、根拠になる経験が出てこない
2点 経験は出るが、主張とのつながりの説明が抜ける
3点 主張と経験がつながっている
4点 経験のどの場面がその考えを生んだか、場面として語れる
5点 複数の経験が一つの考えに収束し、どこを突いても同じ結論に戻る
- 2点の条件主張の根拠として、自分の経験が1つ出た
- 3点の条件経験と主張のつながりを、聞かれて説明できた
- 4点の条件その考えを生んだ場面を、いつ・どこで・何があったかで語れた
- 5点の条件2つ以上の経験が、同じ考えにつながると説明できた
失敗・迷いを語れる
うまくいかなかったことや迷いを、具体的に語れるか。
1点 失敗や迷いは「特にない」で終わる
2点 失敗の存在は認めるが、内容が抽象的で学びにつながらない
3点 失敗を具体的に一つ語り、そこからの変化を言える
4点 失敗の原因を自分の側に見つけ、次の行動の変化まで語れる
5点 失敗が現在の志望につながる筋を、聞き手が納得する形で語れる
- 2点の条件失敗や迷いを1つ挙げた(「特にない」で終わらない)
- 3点の条件その失敗を、場面として具体的に語れた
- 4点の条件原因を自分の側に見つけ、その後に変えた行動を言えた
- 5点の条件その失敗が、いまの志望にどうつながったかを言えた
この大学である理由
総合型選抜でいちばん差がつく所です。他の大学名に入れ替えても成立する理由は点になりません。
大学・学部の具体性
学部固有のカリキュラム・教員・ゼミ・制度に触れられるか。
1点 大学名を入れ替えても成立する理由しか出ない
2点 学部の特徴に触れるが、公式サイトの見出し程度で止まる
3点 具体的な科目・ゼミ・制度を一つ以上挙げ、自分の関心とつなげられる
4点 複数の具体を挙げ、入学後にどう使うかまで言える
5点 その学部でしか成立しない学びの組み合わせを示し、他学部との差まで言える
- 2点の条件大学名以外に、学部の特徴を1つ言えた
- 3点の条件科目・ゼミ・教員・制度の名前を1つ以上言い、自分の関心とつなげた
- 4点の条件2つ以上の具体を挙げ、入学後にどう使うかを言えた
- 5点の条件その組み合わせが、ほかの学部ではできない理由を言えた
他大学との比較
他の大学ではだめな理由を、比較して説明できるか。
1点 他大学と比べたことがない、または「雰囲気」で終わる
2点 他大学の名前は出るが、違いの説明が曖昧
3点 比較した大学を挙げ、違いを一つ具体的に言える
4点 比較の軸(学べる内容・制度・環境)を自分で立て、複数の軸で説明できる
5点 比較の結果「ここでなければならない」が一点で言え、聞き手が反論しにくい
- 2点の条件ほかの大学と比べたかを聞かれて、大学名か種類を挙げた
- 3点の条件比べた大学との違いを、1つ具体的に言えた
- 4点の条件比べる軸(学べる内容・制度・環境など)を2つ以上挙げて説明した
- 5点の条件比べた結果、ここでなければならない理由を一文で言えた
入学後の計画
1年目から卒業までの学びの計画が具体的か。
1点 「しっかり学びたい」など計画の中身がない
2点 学びたい分野は言えるが、時期や順序がない
3点 年次ごとの大まかな計画を言える
4点 計画に具体的な科目・ゼミ・活動が入り、志望理由とつながる
5点 計画が卒業後の進路まで一本につながり、途中の選択肢と判断基準も言える
- 2点の条件学びたい分野を言えた
- 3点の条件学年ごとの大まかな計画(いつ何を学ぶか)を言えた
- 4点の条件計画に、科目・ゼミ・活動の名前が入っていた
- 5点の条件計画が卒業後の進路とつながり、途中で迷ったときの判断の基準も言えた
深掘りへの耐性
面接官は「なぜ」を重ねます。3回目でも自分の考えで答え続けられるかを見ます。
「なぜ」を重ねられても続く
なぜを3回重ねても、根拠が続くか。
1点 1回目の「なぜ」で言葉が止まる、または同じ答えを繰り返す
2点 2回目で止まるか、一般論に逃げる
3点 3回目まで、自分の考えで答え続けられる
4点 「なぜ」が深まるほど答えが具体的になる
5点 深掘りの先に本人の価値観が見え、聞き手が「もう十分」と感じる
- 2点の条件1回目の「なぜ」に、自分の考えで答えた
- 3点の条件2回目の「なぜ」にも、一般論に逃げずに答えた
- 4点の条件3回目の「なぜ」にも、自分の経験か考えで答えた
- 5点の条件3回目の答えに、場面か事実が入っていた(深掘りするほど具体的になった)
反論・想定外への対応
反対意見や想定外の質問に、黙らず筋道立てて答えるか。
1点 黙る、または質問をそのまま返す
2点 答えるが、質問とずれる、または感情的な反応になる
3点 反論を受け止めたうえで、自分の考えを筋道立てて言える
4点 反論の一部を認めつつ、自分の立場の根拠を言い直せる
5点 想定外の問いを自分の考えの検証に使い、答えが前より明確になる
- 2点の条件反論や想定外の質問に、黙らずに答え始めた
- 3点の条件質問の中身に合った答えを返した(ずれていない)
- 4点の条件反論の一部を認めたうえで、自分の考えの根拠を言い直した
- 5点の条件その問いを受けて、前より考えがはっきりした答えになった
答えの一貫性
深掘りの中で、前の発言と矛盾しないか。
1点 深掘りの途中で前の発言と逆のことを言う
2点 矛盾を指摘されると撤回し、どちらが本心か分からない
3点 深掘りを通して前の発言と矛盾しない
4点 矛盾に見える点を自分から整理して説明できる
5点 発言の全体が一つの考えから出ていると分かり、どの順で聞いても同じ
- 2点の条件深掘りの途中で、前の発言と逆のことを言わなかった
- 3点の条件矛盾を指摘されたときに、撤回せず説明できた(指摘がなければ「はい」)
- 4点の条件矛盾に見える点を、自分から整理して説明した
- 5点の条件共通の質問と個別の質問の答えが、同じ考えから出ていた
言葉の定義
使った言葉を自分で説明できるか。抽象語を具体に落とせるか。結論から言えるか。
専門用語の説明
使った専門用語を、自分の言葉で説明できるか。
1点 使った用語を説明できない、または誤った意味で使う
2点 辞書的な説明はできるが、自分の文脈での使い方を説明できない
3点 用語を自分の言葉で正しく説明できる
4点 用語の限界や、似た用語との違いまで言える
5点 用語を使わずに同じ内容を説明でき、専門家に通じる精度で使える
- 2点の条件使った専門用語の意味を、誤らずに答えた(使っていなければ「はい」)
- 3点の条件その用語を、自分の言葉で説明できた
- 4点の条件似た用語との違いか、その用語の限界を言えた
- 5点の条件用語を使わずに、同じ内容を説明できた
抽象語の具体化
「貢献」「多様性」などの抽象語を、具体例で言い換えられるか。
1点 抽象語を抽象語で言い換える(「社会に貢献」を「人の役に立つ」と言い直す)
2点 具体例は出るが、本人の経験ではない一般例
3点 本人の経験に基づく具体例で言い換えられる
4点 具体例が複数あり、場面・相手・結果が入る
5点 抽象語を使わずに最初から具体で語れ、聞き手が場面を思い浮かべられる
- 2点の条件抽象語(貢献・多様性・成長など)を、別の抽象語でなく例で言い換えようとした
- 3点の条件自分の経験に基づく例で言い換えた
- 4点の条件例に、場面・相手・結果のうち2つ以上が入った
- 5点の条件最初から抽象語を使わず、具体で語った答えが半分以上あった
結論から答える
問いに対して、結論から簡潔に答えられるか。
1点 結論が出ないまま話が続く、または問いと違うことを答える
2点 結論は出るが、長い前置きのあと
3点 結論から答え、理由を続けられる
4点 結論・理由・具体の順で、問いに合わせて答えの長さを調整できる
5点 どんな問いにも一文で結論を言え、必要なら深掘りに応じられる
- 2点の条件問いに対する結論を、答えの中で言った
- 3点の条件結論を最初の一文で言った答えが、半分以上あった
- 4点の条件結論・理由・具体の順で答えた答えが、半分以上あった
- 5点の条件すべての答えで、最初の一文が結論だった
伝え方
同じ中身でも、聞き取れなければ伝わりません。声と話す速さ、表情と視線、答えの長さを見ます。服装や容姿は見ません。
声と話す速さ
聞き取れる大きさと速さで、語尾まではっきり話せるか。
1点 声が小さい、または早口で、聞き返さないと内容が分からない
2点 聞き取れるが、語尾が消える・早口になる所が何度かある
3点 聞き取れる大きさと速さで話せる。緊張で崩れる所が少しある
4点 大事な所で速さを落とすなど、聞き手に合わせて話せる
5点 最後まで落ち着いた声と速さで、強調や間も自然に使える
- 2点の条件聞き返した回数が、3回以下
- 3点の条件聞き返した回数が1回以下で、語尾が消えて聞き取れない所がない
- 4点の条件聞き返しがなく、大事な所で速さを落とした場面が1回以上ある
- 5点の条件最後まで、声の大きさと速さが崩れなかった(早口になった場面がない)
表情・視線・姿勢
相手(オンラインではカメラ)を見て、落ち着いた表情と姿勢で話せるか。
1点 下や横を見たまま話し、表情が固まっている(オンラインでは画面の外を見続ける)
2点 ときどき相手を見るが、目が泳ぐ・姿勢が崩れる場面が多い
3点 おおむね相手(カメラ)を見て、姿勢を保って話せる
4点 話の内容に合った表情で、相手の反応を見ながら話せる
5点 終始落ち着いた表情と姿勢で、対話している印象を与える
- 2点の条件画面の外(下・横)を見たまま答えた答えが、半分以下
- 3点の条件ほとんどの答えでカメラを見て話し、姿勢が大きく崩れた場面がない
- 4点の条件話の中身に合わせて表情が変わった場面が、1回以上ある
- 5点の条件終わりまでカメラを見て話し、目が泳いだ場面がない
答えの長さと間
1つの答えを長すぎず短すぎずまとめ、間を取りながら話せるか(目安30〜60秒)。
1点 一言で終わる、または2分以上話し続けて問いからずれる
2点 答えの長さのばらつきが大きく、要点が埋もれる答えがある
3点 多くの答えを30〜60秒にまとめられる
4点 問いの重さに合わせて長さを調整し、区切りで間を取れる
5点 どの問いでも、聞き手が次の質問をしやすい長さと区切りで答えられる
- 2点の条件2分を超えて話し続けた答えが、1つ以下
- 3点の条件60秒を超えた答えと15秒未満の答えが、合わせて2つ以下
- 4点の条件60秒を超えた答えと15秒未満の答えが、合わせて1つ以下
- 5点の条件すべての答えが15〜60秒に収まり、区切りで間を取った
総合点とランク
18項目の平均(1〜5点)を20倍した点数(100点満点)を総合点とし、次の5段階のランクを添えます。
A(90点以上) このまま本番に臨める
B(80点以上) あと1〜2か所を固めれば仕上がる
C(70点以上) 止まる所がはっきりしている
D(60点以上) 主要な問いで根拠が続かない
E(60点未満) 準備の前提から立て直す
レポートで返るもの
総合点とランク、6つの柱の点、18項目それぞれの点と「次の点になるには」の文、止まった所の引用、当日聞いた質問、本番で聞かれそうな3問。志望理由書のレポートと同じ形式のWebページで、リンクを知っている人だけが開けます。
採点のぶれ
同じ模擬面接の録画を、前の点を見ずにもう一度採点して、どれだけ同じ点になるかを記録しています。18項目それぞれの点で数えています。
±1点以内:2回の点の差が1点以内だった項目の割合。20回たまってから出し、自動で入れ替わります。
使い方
点の低い項目から準備するのがいちばん効きます。18項目のうち、「深掘りへの耐性」と「この大学である理由」は、志望理由書の該当する項目と連動しています。面接で低かった柱は、志望理由書の同じ所を直してからもう一度出すと、書類の点も一緒に上がりやすいです。「伝え方」が低いときは、よく聞かれる質問に30〜60秒で答える練習を、録音して聞き返すところから始めてください。