「採点の型」の決め方
同じ志望理由書でも、どこを重く見られるかは志望校によって違います。そこで総合型選抜模試では、大学・学部ごとに4つの「採点の型」のどれかを当て、16項目(面接は18項目)それぞれに目安の点を置いて採点しています。型は、採点のときに申込みの「志望大学・学部」から自動で選ばれ、評価者が確認します。レポートには、どの型で見たかと、項目ごとの目安との差が載ります。
4つの型
型の名前は、採点で重く見る所を表しています。どの型でも、16項目すべてを同じ基準文で採点します。違うのは「どの項目を特に重く見るか」と「その項目でどこまでの具体性を目安にするか」です。
型の当て方
大学の設置区分(国立・公立・私立)、総合型選抜・学校推薦型選抜の募集の規模、受験で一般に参照されている大学の分類、学部の分野をもとに、総合型選抜模試が当てています。大学の良し悪しを決めるものではありません。分野による調整は次のとおりです。
医・歯・獣医 大学にかかわらず探究型。職業への理解と専門性の深さが、どの大学でも問われるためです。
薬・看護 大学の型より、一段具体性を求める型にします。資格につながる学部で、職業像と用語の正確さが問われるためです。
芸術・デザイン・音楽、体育・スポーツ 実技や競技の実績が選考の中心で、志望理由書の役割が違うため、大学ではなく分野ごとに型を当てます。
学科で分野が違うとき 学部とは別に、学科ごとに型を持ちます(例:農学部の獣医学科は探究型)。
目安の点
「この点を下回ると、その項目が弱く見えやすい」という目安です。合格ラインではありません。型ごとの基本の表に、学部の分野で重く見る3項目を+1します(上限5)。大学ごとのページでは、学部ごとに計算した表が見られます。
志望理由書 16項目
| 志望理由書の項目 | つながり型 | 根拠型 | 適合型 | 探究型 |
|---|---|---|---|---|
| 主張の一貫性 | 3 | 3 | 4 | 4 |
| 独自性 | 2 | 2 | 3 | 4 |
| アドミッションポリシーとの整合性 | 2 | 3 | 3 | 4 |
| 学部特有の関心の具体性 | 2 | 3 | 3 | 4 |
| 「この大学でなければならない理由」の強さ | 2 | 3 | 4 | 4 |
| 具体的エピソードの有無 | 3 | 3 | 4 | 4 |
| 定量的根拠(数字・実績) | 2 | 2 | 3 | 4 |
| 活動の継続性・深さ | 2 | 3 | 3 | 4 |
| 主張と根拠のつながり | 2 | 3 | 3 | 4 |
| 構成の分かりやすさ | 2 | 3 | 3 | 3 |
| 結論の明確さ | 3 | 3 | 3 | 3 |
| 深掘り質問への耐性 | 2 | 3 | 4 | 4 |
| 矛盾点の有無 | 2 | 3 | 3 | 4 |
| 専門用語の理解度 | 2 | 2 | 3 | 3 |
| 将来ビジョンとの接続 | 3 | 3 | 4 | 4 |
| 改善可能性 | 2 | 3 | 3 | 3 |
面接 18項目
| 面接の項目 | つながり型 | 根拠型 | 適合型 | 探究型 |
|---|---|---|---|---|
| 志望理由書との一致 | 3 | 3 | 4 | 4 |
| 事実関係の揺れ | 2 | 3 | 3 | 4 |
| 数字・固有名詞の再現 | 2 | 3 | 3 | 4 |
| 自分の言葉で語る | 3 | 3 | 4 | 4 |
| 経験との結びつき | 3 | 3 | 3 | 4 |
| 失敗・迷いを語れる | 2 | 2 | 3 | 4 |
| 大学・学部の具体性 | 2 | 3 | 4 | 4 |
| 他大学との比較 | 2 | 2 | 3 | 4 |
| 入学後の計画 | 2 | 3 | 3 | 4 |
| 「なぜ」を重ねられても続く | 2 | 3 | 4 | 4 |
| 反論・想定外への対応 | 2 | 3 | 3 | 4 |
| 答えの一貫性 | 2 | 3 | 4 | 4 |
| 専門用語の説明 | 2 | 2 | 3 | 4 |
| 抽象語の具体化 | 2 | 3 | 3 | 4 |
| 結論から答える | 3 | 3 | 4 | 4 |
| 声と話す速さ | 3 | 3 | 3 | 3 |
| 表情・視線・姿勢 | 2 | 3 | 3 | 3 |
| 答えの長さと間 | 2 | 3 | 3 | 3 |
分野ごとに重く見る項目(+1)
| 分野 | 志望理由書 | 面接 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 医学(医学科) | 専門用語の理解度、矛盾点の有無、将来ビジョンとの接続 | 専門用語の説明、失敗・迷いを語れる、答えの一貫性 | 医師に求められる責任の重さから、専門用語の正確さ・話の矛盾のなさ・職業像の具体性が問われます |
| 歯学 | 専門用語の理解度、矛盾点の有無、将来ビジョンとの接続 | 専門用語の説明、失敗・迷いを語れる、答えの一貫性 | 医療職として、専門用語の正確さ・矛盾のなさ・将来像の具体性が問われます |
| 獣医 | 専門用語の理解度、具体的エピソードの有無、将来ビジョンとの接続 | 専門用語の説明、経験との結びつき、答えの一貫性 | 動物との具体的な関わりの経験と、職業像の具体性が見られます |
| 薬学 | 専門用語の理解度、定量的根拠(数字・実績)、将来ビジョンとの接続 | 専門用語の説明、数字・固有名詞の再現、入学後の計画 | 理科の基礎と専門用語の理解、6年間の学びの計画が問われます |
| 看護 | 具体的エピソードの有無、矛盾点の有無、将来ビジョンとの接続 | 経験との結びつき、失敗・迷いを語れる、答えの長さと間 | 人と関わった具体的な経験と、看護職への理解の一貫性、伝わる話し方が見られます |
| 医療技術・リハビリ・保健 | 具体的エピソードの有無、専門用語の理解度、将来ビジョンとの接続 | 経験との結びつき、専門用語の説明、入学後の計画 | 医療技術職の仕事内容を正しく理解しているか、経験と結びついているかが見られます |
| 教育・保育 | アドミッションポリシーとの整合性、将来ビジョンとの接続、矛盾点の有無 | 経験との結びつき、答えの一貫性、答えの長さと間 | 教育観が大学のポリシーと合うか、子どもと関わった経験、話の一貫性と伝わりやすさが見られます |
| 芸術・デザイン・音楽 | 独自性、具体的エピソードの有無、活動の継続性・深さ | 自分の言葉で語る、経験との結びつき、抽象語の具体化 | 作品や活動の独自性と継続、自分の言葉で表現を語れるかが中心です |
| 体育・スポーツ | 定量的根拠(数字・実績)、活動の継続性・深さ、将来ビジョンとの接続 | 数字・固有名詞の再現、失敗・迷いを語れる、入学後の計画 | 競技歴の数字(記録・年数・回数)、挫折からの立て直し、大学での計画が見られます |
| 国際・外国語 | 学部特有の関心の具体性、「この大学でなければならない理由」の強さ、将来ビジョンとの接続 | 大学・学部の具体性、他大学との比較、抽象語の具体化 | 語学力そのものより、その大学の留学制度・科目への具体的な関心と、他大学との違いの説明が問われます |
| 理工・情報・建築 | 定量的根拠(数字・実績)、学部特有の関心の具体性、専門用語の理解度 | 数字・固有名詞の再現、専門用語の説明、入学後の計画 | 数字で語れるか、学科の研究内容を具体的に知っているか、用語を正しく使えるかが見られます |
| 理学 | 定量的根拠(数字・実績)、学部特有の関心の具体性、専門用語の理解度 | 数字・固有名詞の再現、専門用語の説明、「なぜ」を重ねられても続く | 探究の記録を数字で語れるか、研究室レベルの具体性、なぜを重ねられても続くかが見られます |
| 農・生命・環境 | 具体的エピソードの有無、定量的根拠(数字・実績)、学部特有の関心の具体性 | 経験との結びつき、数字・固有名詞の再現、大学・学部の具体性 | フィールドでの具体的な経験と数字、学科の研究内容への具体的な関心が見られます |
| 家政・生活・栄養 | 具体的エピソードの有無、学部特有の関心の具体性、将来ビジョンとの接続 | 経験との結びつき、大学・学部の具体性、入学後の計画 | 生活に根ざした具体的な経験と、資格・進路につながる学びの計画が見られます |
| 福祉・心理 | 具体的エピソードの有無、活動の継続性・深さ、専門用語の理解度 | 経験との結びつき、失敗・迷いを語れる、専門用語の説明 | 人と関わった経験の深さと、心理・福祉の用語を正しく使えるか、失敗を語れるかが見られます |
| 観光 | 具体的エピソードの有無、「この大学でなければならない理由」の強さ、将来ビジョンとの接続 | 経験との結びつき、他大学との比較、答えの長さと間 | 地域や人と関わった経験、その大学で学ぶ理由、伝わる話し方が見られます |
| 法・政治・経済・経営・商・社会 | 主張と根拠のつながり、定量的根拠(数字・実績)、「この大学でなければならない理由」の強さ | 「なぜ」を重ねられても続く、数字・固有名詞の再現、他大学との比較 | 主張と根拠のつながり、数字を使った説明、他大学との違いの説明が問われます |
| 人文(文・史・哲・言語) | 独自性、専門用語の理解度、深掘り質問への耐性 | 自分の言葉で語る、専門用語の説明、「なぜ」を重ねられても続く | 自分の問いの独自性、読んだ本や概念の用語を正確に使えるか、なぜを重ねられても続くかが見られます |
| 総合・学際・教養 | 独自性、将来ビジョンとの接続、深掘り質問への耐性 | 自分の言葉で語る、「なぜ」を重ねられても続く、抽象語の具体化 | 分野をまたぐ問いの独自性と、将来像への接続、抽象語を具体に落とせるかが見られます |
| その他 | 主張の一貫性、具体的エピソードの有無、将来ビジョンとの接続 | 志望理由書との一致、経験との結びつき、結論から答える | 一貫性・具体的な経験・将来像の3つを中心に見ます |
採点でどう使うか
申込みの「志望大学・学部」の文から、大学と学部(学科)を自動で見つけて型を当てます。略称(東大・慶應・明学 など)や旧名(東京工業大学・首都大学東京 など)も読めます。見つからないときは根拠型にして、評価者が選びます。評価者は自動の結果を確認し、違っていれば直します。
データの出どころと更新
- 大学・学部・学科・入学定員・所在地:文部科学省「令和7年度 全国大学一覧」。募集停止の学部・学科、大学院大学、通信教育のみの大学は載せていません。
- 総合型選抜・学校推薦型選抜の募集人員:文部科学省「令和8年度 国公立大学入学者選抜について」の大学別募集人員表(国公立のみ。私立は大学の要項で確認してください)。
- 採点の型と目安の点:総合型選抜模試が決めたもの。文部科学省や各大学の見解ではありません。
- 更新:毎年、文部科学省の一覧が更新されたら見直します。いまの版は 2026年10月4日 に作りました。学部の新設・改組は反映が遅れることがあります。